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- 保育士は何歳まで働けるのか?
- 保育士の平均年齢は?
このような疑問を持つ方に向けて、保育士は何歳まで働けるのかを解説します。
保育士の平均年齢及び年齢別の労働者数
厚生労働省が令和2年に公開した「保育士の現状と主な取り組み」によると、保育士の平均年齢は、36.7歳です。
保育士は20代〜30代の方が多く、約95%の方が女性です。30代後半で結婚や出産を機に働いていた職場を退職することが多いです。また、産休や育休を使って職場に戻ってくる方もいますが、働く時間を短くしたり、非正規の雇用を選ぶ方もいます。
40代以降の年齢層では働いている割合が20%を下回る結果になっています。保育士の仕事は体力がいるため、40代以降になると体力の低下に伴い、退職する人が多いことも理由として考えられます。
年齢 | 構成割合(%) | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
30歳未満 | 32.9 | 1.6 | 31.4 |
30代 | 25.6 | 1.4 | 24.1 |
40代 | 20.5 | 0.4 | 20.1 |
50代 | 14.4 | 0.2 | 14.2 |
60代 | 5.7 | 0.3 | 5.4 |
70代以上 | 0.7 | 0.1 | 0.6 |
合計 | 100 | 4.0 | 95.8 |
保育士の平均勤続年数
保育士の勤続年数は8年未満の方が約半分です。
勤続年数が10年を超える職種が多いなか、保育士の8年未満はかなり短いです。労働環境や人間関係などが原因で離職率が高いことや、保育士は女性の方が多く働いているため結婚や出産を機に退職する人が多いため勤続年数が短くなる傾向にあります。
保育士の離職率
保育士の離職率は平均で9.3%です。
保育士は残業量が多いことや、給与が仕事内容に見合わないことが原因で保育士を離職する方が多くいます。子どもを預かるので責任感が大きいことも離職に繋がります。
保育士に多い退職理由
保育士に多い退職理由:職場の人間関係
「保育士の現状と主な取り組み」によると、保育士が退職する理由で最も多いのは、「職場の人間関係」(約33%)です。
職員同士での意見の違いや、職場に馴染めないことから人間関係に疲れてしまい退職する方が多いと考えられます。また、保護者との人間関係がうまく築けないことに対して悩みをもつ保育士も多いようです。
保育士に多い退職理由:給料が安い
保育士が退職する理由で次に多いのは、「給料が安い」(約29%)です。
保育士の平均給料は都道府県によって違いますが、保育士の平均年収は約363.5万円と日本の平均年収と比べて少ないです。体力的に大変なことや、残業が多い仕事なので、給与が見合わないと不満が募ったり、やりがいを感じられなくなってしまって退職する方も多いと考えられます。
保育士に多い退職理由:仕事量が多い
保育士が退職する理由として、「仕事量が多い」を選んだ方は約27%です。
保育士は、子どもたちの世話に加えて、指導書やおたよりの作成をしたり、イベントの準備などの仕事に追われて残業時間が長くなってしまうことが多いです。休みが少ない方も多いです。身体的や精神的にも負荷がかかる仕事量で退職を決める人も多いです。
保育士の平均年齢・勤続年数が低い理由
理由1:給料が安い
保育士の平均年収は約363.5万円で、全職種の平均年収の約500.7万円よりも安いです。
保育所では公定価格が定められていて、子ども一人当たりに必要な教育、保育費用を元にさまざまな事情を総合的に考慮して国が決定しています。そのため、保育士が受け取れる金額が決まっています。
理由2:労働時間が長い
保育士の平均年齢・勤続年数が低い理由として「労働時間が長い」があります。
全国保育協議会 会員の実態調査報告書2021によると、保育士の1日の平均実働時間は8〜10時間です。保育士はおたよりや行事の準備を家に持ち帰って行う方が多いです。また、家で残業をしているため実際の実働時間よりも長くなってしまうことが多いです。
また、公立保育園は週30時間〜40時間未満に対して、私立保育園は週40時間〜50時間未満なので公立保育園よりも私立保育園の方が実働時間が長くなっていることがわかります。その理由は、私立保育園に比べ公立保育園は保育サービスが限定されているため比較的にゆったり働けることから残業が少なくなり実働時間が短くなると考えられます。
理由3:人手が不足している
厚生労働省 平成25年度保育分野における人材不足の現状によると、新規求人倍率をみるとほとんどの都道府県において保育士の有効求人倍率は1倍を超えており、人手不足が広がっていることがわかります。
保育士が人手不足になっている理由として、労働時間と給与が合わないことから保育士資格を取得しても保育士にならない人や、保育士から別の職種に転職する人も多いことなどが挙げられます。
人手不足が進むことでさらに一人当たりの仕事量が増えて、退職する人が増え、負の連鎖が続いています。